東京防災
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188 複合災害とは、複数の災害が同時または連続して発生することにより被害が拡大し、災害対応の困難性が増す災害事象です。地震と風水害、感染症と地震など、同種または異種の災害が同時または時間差を持って発生した場合、被害の激化や広域化、長期化などが懸念されます。こうした状況も念頭に置く必要があります。長岡市妙見町の県道で起きた大規模な土砂崩れ 〔写真提供/共同通信社〕複合災害地震災害×豪雪災害 新潟中越地震平成16(2004)年10月23日に新潟県小千谷市を震源として発生した新潟県中越地震では、揺れの大きかった川口町で最大震度7を観測したのをはじめ、震度6強の地震が18時11分、34分と立て続けに発生しました。この震災による死者は46人、負傷者は4,801人で、亡くなった人の多くは、建物倒壊や斜面崩壊と呼ばれる土砂崩れによるものでした。新潟県はもともと、地すべりや土石流など、土砂災害の多発地帯です。中でも山古志村を中心とした地域では、地震の影響による地すべりが多発しました。さらに、この年の中越地方では19年ぶりの豪雪となり、地震被害に加え、さらに多数の雪崩や土砂災害が発生、さらに積雪による建物の圧壊により被害は拡大しました。その翌年も大雪となり復興工事が遅れ、山古志村の全員が帰村したのは、2年10か月後のことでした。

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