東京の防災プラン
3/59

世界一安全・安心な都市の実現に向けて 「東京を世界一の都市にする」、これが、私が都政運営で目指すところであり、そのための礎が「安全・安心」です。首都直下地震をはじめ、近年多発している台風、集中豪雨、土砂災害など、東京は幾多の自然災害の脅威にさらされています。こうした自然災害の発生を誰も止めることはできませんが、災害の発生を見越して、事前に備えることはできます。 東京都は行政として、災害への備えに全力を尽くしてまいります。しかし、万全の体制を作り上げるためには、「自分の命は自分で守る」、「地域やみんなで仲間を助ける」という自助・共助の取組が欠かせません。阪神・淡路大震災では、生き埋めや閉じ込められた場所から救出された方々の約98%が、家族や地域の助け合いによって命が救われました。東京でも、都民・企業の皆さんの自助・共助の力を高める様々な取組をしっかりと進めてまいります。 皆さんと共に進める取組の全体像を取りまとめたのが、この「東京の防災プラン」です。地震や風水害といった自然災害に対して、オリンピック・パラリンピック競技大会開催年である2020年を目標に対策を工程表として定めました。 プランでは、災害が発生したときに実際に起こりうる事態を、時系列のシミュレーションでわかりやすく示しました。まずは「発災時に起こりうる想定シナリオ」というところを是非、一読していただき、ご自身がその場にいることを想像してみてください。家具が倒れ、火災が発生し、携帯電話が通じず、食料や水も不足してきます。「こんなことなら、事前に準備しておけばよかった」と思うはずです。 危機管理とは、最悪の事態を想定し、それに備えて打つべき手を着実に打っていくことです。2020年を一つの到達点とし、そこから逆算して、今、何をなすべきか、このプランではその道筋を明らかにしています。都民や企業の皆さんと一緒に、東京が直面する危機を管理し、災害対応力が備わった世界一安全・安心な都市へ東京を変貌させていきたいと思います。  平成26(2014)年12月東京都知事   

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です