東京都防災ホームページ


そのほかの災害と対策


142ページ 
3章 
大雨・暴風 
144ページ 
集中豪雨 
150ページ 
土砂災害 
152ページ 
落雷 
154ページ 
竜巻 
156ページ 
大雪 
158ページ 
火山噴火 
160ページ 
テロ・武力攻撃 
164ページ 
感染症 
168ページ 

143ページ 
そのほかの災害と対策 

東京に潜む災害は、地震だけではありません。
大雨・暴風、集中豪雨などの身近な自然災害から、テロ・武力攻撃などのじんてき脅威まで、多くのリスクが想定されます。
本章では、東京に潜むさまざまな災害の知識と対策をまとめました。あわてず対処できるように、今、知っておきましょう。

144ページ 
大雨・暴風 
風水害は事前の備えが重要 
ばいう前線や秋雨前線が停滞することで、しばしば大雨が降ります。
また、30年間(1981から2010年まで)の平均では26個もの台風が発生。
接近・上陸すれば暴風や大雨となり、冠水や河川がはん濫することもあります。
最新の気象情報などを常にチェックし、災害から身を守ることが大切です。
ハザードマップなどを確認し、危険性が高い場所を事前にチェックしておきましょう。

145ページ 
最新の気象情報に注意する 
注意報 
大雨や強風などによって災害が起こるおそれのあるときに、気象庁が注意を呼びかけます。
自治体が発表する避難準備情報に注意し、雨・風の影響を受けやすい地区では、避難行動よう支援者は、早めの行動を心がけます。
詳細、246ページ 

警報 
重大な災害が起こるおそれのあるときに出され、該当する地域で警戒を呼びかけます。
自治体が発表する避難情報に注意し、必要に応じ速やかに避難します。
詳細、246ページ 

特別警報 
警報の発表基準をはるかに超え、数十年に一度しかないような重大な災害の危険性が高まっている場合に発表されます。直ちに安全な場所に移動する必要があります。
詳細、247ページ 

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特に注意が必要な気象 
春から盛夏(ばいう前線) 
春から盛夏への季節の移行期には、ばいう前線が日本から中国大陸付近にかけて出現します。
梅雨の長雨で地盤が緩んでいるときに大雨になると、土砂災害が起きやすくなります。

夏から秋(秋雨前線) 
夏から秋にかけての季節の移行期には、ばいう前線と同じような気圧配置になり、秋雨前線が日本付近に出現して長雨や大雨をもたらし、道路の冠水などが起こります。

7から10月(台風) 
7から10月には、接近・上陸する台風も多くなるので、大雨や暴風に注意が必要です。
例えば、2011年の台風第10号では、暴風によって渋谷や銀座で街路樹の倒木が起きたり、電車が運転を見合わせて都民の足に影響が出ました。

高潮(湾岸部) 
東京は、東京湾の最奥部に位置しています。
南西側に外洋との出入口があり、また水深も比較的浅いために、高潮の被害を極めて受けやすい地形です。台風による高潮のほかに地震による津波にも注意が必要です。

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特に注意が必要な場所 
低地帯 
大雨が降ると、低地帯では、冠水するおそれがあります。
側溝などの位置がわからなくなる場合もあるので注意が必要です。

地下室・半地下家屋 
地下室や半地下家屋を設置している建物や道路より低い土地にある建物では、集中豪雨により浸水被害が増加する傾向にあります。浸水に備えて「しすいばん」や「どのう」などを準備するとともに、危険を感じる前に避難しましょう。

河川 
はんらんの危険性がありますので、近寄らないこと。
河川沿いに住んでいる人は、地域の防災情報などに耳を傾け、すぐに避難できるようにします。

山間部 
崖地周辺や山間部では、土砂災害に注意。
警報が発表されなくとも、土砂災害の前兆が見られたら、安全を確保した上で避難しましょう。
詳細、152ページ 

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風水害から身を守るために  
公共機関の情報を聞く 
気象庁や自治体は、テレビ・ラジオなどで災害情報を発信し、各区市町村では、防災行政無線で避難勧告や避難指示を行います。
自治体から避難情報が発表されたら、安全を確保した上で避難します。

浸水危険箇所を知る 
台風などによる水害の危険性を周知し、水害への備えや迅速な避難に役立つよう、東京都では、浸水予想区域図を公表しています。
日頃から浸水の起きやすい箇所などを確認しておきましょう。

排水設備の点検・清掃 
雨水ますや側溝の周辺にゴミがたまることで、雨水が流れず、浸水の危険性が高くなります。地下や半地下では、排水ポンプの故障による浸水被害の危険も。
定期的な排水設備の点検・掃除を心がけましょう。

簡易な浸水防止方法 
浸水に備えるには、「どのう」「すいのう」「しすいばん」などを活用します。ゴミ袋に半分程度の水を入れた「簡易すいのう」を隙間なく並べたり、しすいばんの代わりに長めの板などを利用する方法もあります。

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台風は通り過ぎるのを待つ 
台風接近時に外にいた場合は、近くの施設で通り過ぎるのを待ちます。自宅にいる場合は、外出を控えます。屋根や窓の補修のために外へ出るのも危険です。

エレベーターは使わない 
暴風によって電線が切れると停電になり、エレベーターに閉じ込められるおそれがあります。台風や大雨のときは、なるべく階段を使うようにしましょう。

ひざしたまで水が来る前に避難する  
浸水時の歩行可能な水位の目安は、ひざ下まで。水位が低くても水の勢いで動けなくなる危険性があるので、水が流れてきたら高所へ早急に避難します。

地下からより高いところへ避難する  
地上の冠水によって地下に水が流れ込み、避難が難しくなる場合があります。指定の避難場所、または、地上に出て近隣の2階以上の頑丈な建物へ。より安全な場所に避難しましょう。

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集中豪雨 
集中豪雨は突然起こる 
都市部の河川や下水道は、一般的に1時間50ミリの降雨を想定して造られているため、想定以上の降雨により都市型水害が発生するおそれがあります。
都市型水害は、地表がアスファルトなどにおおわれていることによる流域の保水・遊すい機能の低下、地下利用などの高度化により起こると言われています。
もくもくと積乱雲が大きくなった、真っ黒な雲の接近、雷鳴がとどろくなどの前兆のあと、集中豪雨はあっというまに都市を襲います。

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集中豪雨から身を守るために  

河川や用水路に近づかない 
局地的な集中豪雨が発生すると、河川や用水路は水があふれ、激しい水の流れができることがあるので、絶対に近づかないようにしましょう。

地面より低い道は通らない 
立体交差する道路で、路面の高さが前後と比べて低くなっている道(アンダーパス)や、歩行用の地下道路は、集中豪雨が発生すると冠水の危険性があるので通らないようにします。

地下・半地下から避難する 
地下室や半地下家屋(地面より掘り下げられた家)は、冠水しやすく、水圧でドアがあかなくなって逃げ遅れる危険があるので、2階などの安全な場所へ避難しましょう。

冠水している道路は危険 
冠水している道路は、マンホールや側溝のふたが外れて転落する可能性があって危険です。
やむを得ず冠水箇所を移動する場合は、傘などで地面を探りながら移動します。

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ここに「いまやろう」マークがあります。
土砂災害 

土砂災害の前兆 

崖崩れ 
崖にひび割れができる、小石がパラパラと落ちてくる、崖から水が湧き出る、湧き水が止まる・濁る。地鳴りが聞こえる、など。

地滑り 
地面のひび割れ・陥没、亀裂や段差の発生、崖や斜面から水が噴き出す、井戸や沢の水が濁る、地鳴り・山鳴りがする、樹木が傾く、など。

土石流 
山鳴りがする、急に川の水が濁り、流木が混ざり始める、腐った土の臭いがする、降雨が続くのに川の水位が下がる、立木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえる、など。

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土砂災害から身を守るために 

避難場所を確認しておく 
指定されている避難場所や連絡方法について、普段から家族で話し合い、避難経路も確認しておきましょう。避難するときは、持ち物を最小限にし、両手が使えるようにします。

非常用持ち出しぶくろの用意 
ハザードマップや避難場所の地図、非常用持ち出しぶくろを用意し、危険を感じたら活動しやすい服装にきがえて、いつでも避難できるようにしておきます。

土砂災害危険箇所を知る 
東京都建設局ホームページの土砂災害危険箇所マップでは、土砂災害の危険箇所を地域別に検索して確認できます。事前に近くの危険箇所を確認しておきましょう。
エイチティーティーピーダブルコロンスラッシュスラッシュダブリュダブリュダブリュドットエスエー 
ビーオーエムエーピードットジェイピースラッシュティーケーオーワイオースラッシュ 

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落雷 

雷は人の命を奪うこともある 
雷は、命を奪うこともあります。高い所、高く突き出た物に、雷は落ちやすい性質がありますが、じつは、落雷事故死の半数以上を占めているのが、ゴルフ場などのひらけた平地にいるときと、きの下で雨宿りをしているときなのです。雷鳴が聞こえたり、雷雲が近づいてきたりした場合は、速やかに安全な場所(鉄筋コンクリートの建築物・自動車・バス・列車の内部など)に避難します。

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注意が必要な場所 
グラウンドやゴルフ場、屋外プール、堤防や砂浜、海上などのひらけた場所。さらに山頂や尾根などの高い所も注意が必要です。

樹木などの高い物に近づかない 
雷は、樹木などの高いところや高く突き出た物に落ちやすいので、特に木の近くにいる場合は、最低でも木(幹・枝・葉)から2メートル以上は離れます。

ひらけた場所では 
グラウンドなどのひらけた場所では、人に直撃しやすくなるので危険。すぐに安全な場所(鉄筋コンクリートの建築物・自動車・バス・列車の内部など)に避難します。

安全な場所がないとき 
近くに安全な場所がないときは、電柱などの高い所から4メートル以上離れた場所に退避します。姿勢を低くして、持ち物は、高く突き出さないようにします。

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竜巻 

竜巻は日本のどこでも発生する 
近年、日本でも竜巻によって被害を受ける災害がたびたび発生しています。竜巻は、季節を問わず発生していますが、特に台風シーズンの9月、10月に多く確認されています。竜巻が発生すると、中心部では猛烈な風が吹き、建物のがれきや看板などが空中に巻き上げられ、ひらいぶつとなって、大きな被害を及ぼすことがあります。危険を避けるため、鉄筋コンクリートなどの頑丈な建物の中や地下施設に入って通過するのを待ちます。

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竜巻から身を守るために 

屋内にいたら 
窓ガラスの破片や、飛来物を避けるため、一戸建住宅では、1階の窓の少ない部屋に移動。
雨戸、カーテンを閉め、窓から離れて頑丈なテーブルの下で竜巻の通過を待ちます。

屋外にいたら 
突風や飛来物を避けるために、頑丈な建物の中や地下施設に移動します。
近くにそれらがない場合は、物陰やくぼみなどに隠れて竜巻の通過を待ちます。

竜巻が予想される地域を調べる 
気象庁のホームページで竜巻発生確度ナウキャストを見れば、竜巻などの激しい突風が発生する可能性のある地域を事前に確認できます。
エイチティーティーピーダブルコロンスラッシュスラッシュダブリュダブリュダブリュドットジェイエムエードットジーオードットジェイピースラッシュジェイピースラッシュアールエーディエヌオーダブリュシースラッシュ 

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大雪 

大雪は生活機能を混乱させる 
雪が降る回数や量は減りつつあるものの、一度降れば大雪になる可能性があると気象庁は予測しています。雪が激しく降ると、公共交通機関が止まり、高速道路が閉鎖され、一般道も通れなくなる可能性があります。大雪が予想されたら早めに帰宅し、外出は控えます。
2014年2月の大雪では、交通が混乱しただけではなく、多摩地域では道路が通行できなくなり、孤立する集落も発生しました。

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大雪から身を守るために 

外出を控える 
大雪の予報が出たら、外出しないで済むように食料の備蓄をし、停電に備えて電気がなくても暖をとれる準備もしておきましょう。

転ばないようにする 
降雪時や降雪後は、道路が大変すべりやすくなるので、外出する場合は、すべりにくい長靴などを履き、足元に十分注意。自転車や自動車には乗らないようにします。

自動車を利用する場合 
自動車の利用は控えます。やむを得ず運転の必要がある場合は、せきせつろ・凍結路用タイヤに交換、スコップや長靴・毛布・非常食を用意。
普段の倍以上の車間距離をとり、急ブレーキや急ハンドルは厳禁です。

除雪・雪下ろしの注意点 
除雪や雪下ろしは、命綱やヘルメット、すべりにくい靴を着用して必ず二人以上で行います。
晴れの日は屋根の雪が緩むので、らくせつに注意しましょう。

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ここに「いまやろう」マークがあります。
火山噴火 

東京には、21の活火山がある 
東京には、伊豆大島や三宅島などのとうしょ地域に21の活火山があり、そのうち、やっつの火山島で住民が暮らしています(伊豆大島、利島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島)。
直近では、1986年の伊豆大島と2000年の三宅島の噴火で、全島民がとうがいに避難しました。2013年11月には、小笠原諸島の、にしのしまでマグマ水蒸気爆発が観測され、流れ出した溶岩によって島の面積が拡大しました。
詳細、251ページ 

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火山噴火から身を守るために 

防災マップで危険区域を確認する  
火山災害から身を守るために、最寄りの自治体などで公開している防災マップ(危険箇所、避難経路、避難所などをあらわした地図)で危険区域と避難所を事前に確認しておくことが大切です。

食料や防災アイテムを備えておく 
火山が噴火すると、降灰で物流やライフラインに影響が出ることがあります。飲料水と食料、懐中電灯、予備の燃料などを用意。また、ヘルメット、ぼうじんマスク、ぼうじんゴーグルを備えておくといいでしょう。

指定避難所を事前に確認 
火山の噴火によって、避難指示や避難勧告が出された場合は、かく区市町村などの自治体が指定した避難所に速やかに避難します。事前に最寄りの指定避難所を確認しておきましょう。

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噴火警報を見逃さない 
気象庁が噴火警報を発表すると、にゅうざん規制、避難指示、退避勧告が出されるので指示に従います。また、少しでも危険を感じたら自主避難しましょう。

万一噴火に遭遇したら 
頭部を守るヘルメットなどをかぶり、タオルを口に当てるなどして火山灰や火山ガスを吸い込まないようにしながら、火口から急いで離れます。

噴火警戒レベルとは 
噴火警報・予報の中で発表される噴火警戒レベルは、危険度に応じてレベル1からレベル5まであります。各レベルに応じた行動をとりましょう。

レベル5 居住地域から避難する     
レベル4 居住地域で避難準備をする 
レベル3 居住地近くの危険地域の立ち入り禁止   
レベル2 火口周辺の立ち入り禁止 
レベル1 特別な対応は必要ないが注意が必要 

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火山灰に注意する 
噴火すると大小の噴石に加えて、火山灰が降ります。火山灰を吸い込むと、せきや呼吸困難など呼吸器に影響を与え、目のかゆみや痛み、充血を引き起こします。ぼうじんマスクやぼうじんゴーグルなどで保護します。また、火山灰は下水道の機能不全を引き起こす可能性があるので、下水道に流さないようにしましょう。

富士山噴火の危険と被害  
富士山が宝永噴火(1707年)のときのように噴火した場合、関東圏の広範囲に火山灰が降り、東京には数センチ〜10センチほど降り積もると予想されています。火山灰の影響は交通機関、ライフライン、農林水産業のみならず、健康障害も考えられます。万一噴火した場合は、気象庁のホームページなどで降灰予報を確認し、火山灰が多くなる地域では、事前に備えておきましょう。

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テロ・武力攻撃 

テロ・武力攻撃の危険 
政治・行政・経済が集中する東京は、テロや武力攻撃の標的にされる可能性も。2004年に国民の生命・身体・財産を保護することなどを目的として「武力攻撃事態とうにおける国民の保護のための措置に関する法律」(平成16年法律第112号。以下、「国民保護法」)を施行。万一の事態には、この「国民保護法」に基づき、各区市町村の防災無線で注意を呼びかけます。テレビ・
ラジオ・広報車両などの情報にも耳を傾け、指示に従いましょう。

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ゲリラや特殊部隊による攻撃 
突発的に被害が発生することが考えられます。攻撃目標が原子力事業所などの場合は、大きな被害が生じるおそれがあります。

弾道ミサイルによる攻撃 
攻撃目標の特定が極めて困難で、短時間での着弾が予想されます。

着上陸侵攻・航空攻撃 
着上陸侵攻は、沿岸部が侵攻目標になりやすく、航空攻撃は、都市部の主要な施設が攻撃目標になることも想定されます。

化学剤などによる攻撃 
化学剤、生物剤、核物質を用いられた場合、人体に影響があり、特別な対応が必要になってきます。

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テロ・武力攻撃から身を守るために 

爆発が起こったら 
爆発が起こったら、すぐに姿勢を低くして、頑丈なテーブルなどの下に身を隠します。爆発は複数回続く場合もあるので、安全な場所へ避難しましょう。

火災が発生したら 
テロや武力攻撃で火災が発生したら、煙を吸い込まないように口と鼻をハンカチなどでおおい、できる限り低い姿勢をとり、急いで避難しましょう。

閉じ込められたら 
近くにある配管などをたたき、自分の居場所を知らせます。ふんじんなどを吸い込むことがあるので、大声を上げるのは最後の手段と考えましょう。

167ページ 
ゲリラ攻撃からの避難 
被害は比較的狭い範囲に限定されるのが一般的ですが、被害が拡大するおそれがあります。いったん屋内に避難してから、行政機関の指示に従いましょう。

ミサイル攻撃からの避難 
着弾地域を特定するのは困難なので、屋外にいる場合は、近隣の頑丈な建物や地下街などに避難します。その後、行政機関の指示に従いましょう。

化学剤や生物剤攻撃からの避難  
口と鼻をハンカチでおおいながら、その場からすぐに離れ、密閉性の高い屋内や風上の高台など、汚染のおそれのない安全な場所へ避難しましょう。

核爆発や放射能汚染からの避難 
核爆発には、しゃへいぶつの陰に身を隠し、地下施設や頑丈な建物の中へ避難しましょう。また、ダーティボムと呼ばれる爆弾は、着弾後に放射能汚染を引き起こすので、行政機関の指示などに従い医師の診断を受けましょう。

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感染症 
感染症の流行が予想されたら  
感染症とは、ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入して増殖し、発熱、下痢、せきなどの症状が出ること。
インフルエンザからエボラ出血熱まで、比較的軽微な症状から致死率の高いものまで「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(平成10年法律第114号)で指定されています。
対応を怠ると、人口が密集する東京では、爆発的に広がる危険性があります。
疑いがある場合は、直ちに医療機関などで適切な医療を受けましょう。

169ページ 
感染症から身を守るために 

うがいと手洗いをする 
感染症の予防対策は、うがいと手洗いが基本です。その際、せっけんで指先や爪の間も念入りに洗いましょう。

手袋をする 
感染者の血液や体液、分泌物、排泄ぶつなどに触れる可能性がある場合は、手袋などで保護します。

マスクを着用する 
ほかの人に感染させないために、せきやくしゃみが出るときは、必ずマスクをつけましょう。

170ページ 
海外帰国後は体調に注意 
海外から帰国した後に体調不良を感じたら、感染症にかかっている危険性があります。
帰国後に下痢や発熱などの症状が出たら、注意が必要です。
できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
受診の際は、旅行先、旅行日程、旅行中の行動などの詳細を伝え、医師の指示に従います。

パンデミックの危険を知る  
パンデミックとは、感染症の世界的な流行を指します。
ダブリュウエイチオー(世界保健機関)は、流行の範囲に応じてパンデミック警戒レベルをむっつのフェーズに分けています。
テレビなどでパンデミックに関する情報を聞いたら、不要不急な外出や人が集まる場所へ行くのは避けましょう。学校や施設が閉鎖される場合もあります。
詳細、265ページ 

主な感染症の症状と対応  

インフルエンザ 
急激に全身症状(頭痛、関節痛、筋肉痛など)と局所症状(のどの痛み、鼻水、くしゃみ、せきなど)が現れ、死亡する場合もあります。
発症から48時間以内に抗インフルエンザウイルス薬の服用を開始すれば、症状の短縮が期待できます。早めに医療機関を受診しましょう。

171ページ 
ましん、はしか 
感染してから10から12日後、38度程度の発熱や風邪の症状がにからさんにち続いた後、さんじゅうきゅうど以上の高熱とほっしんが現れ、脳炎を発症すると重症になります。免疫力が低下するので、肺炎や中耳炎などを合併することもあります。特別の治療法はないので、症状を楽にする対症療法を受けます。

ノロウイルス 
主な症状は、吐き気、おう吐、下痢、腹痛、微熱です。これらの症状がいちにちからふつかかん続いた後に治癒し、後遺症もありませんが、子どもや高齢者などでは、重症化したり、嘔吐物を誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。特別な治療法はないので、輸液などの対症療法を受けます。

結核 
今でも年間に2万人以上が発症している病気です。せきやたんが2週間以上続いたり、特に高齢者の場合は、けんたい感や食欲低下など体調不良が続いたら、早めに医療機関で受診しましょう。結核と診断されても、通常の場合、ろっかげつ毎日きちんと薬を飲めば治ります。

鳥インフルエンザ  
鳥インフルエンザにかかった鳥と濃厚接触することで感染の可能性があります。感染すると、高熱、せきなどの症状が現れます。急激に全身の臓器が異常な状態になり、死に至ることも。鳥インフルエンザにかかった鳥との接触があり、インフルエンザを疑う症状が出た場合は、医師にその旨を告げて受診してください。

エボラ出血熱 
突然の発熱、頭痛、けんたい感、筋肉痛、いんとう痛、おうと、下痢、胸部痛、出血(吐血・げけつ)などの症状が現れます。治療法がないため、症状に応じた対症療法を行います。りゅうこうこくから帰国した後、1カ月程度のあいだに発熱した場合、地域の医療機関の受診は控えて、保健所に連絡し、その指示に従います。

172ページ 
マグマが活動している東京の活火山 
前兆をキャッチすれば怖くない 
火山とうではマグマが活動中 
東京には、にじゅういちの活火山があります。
そのうちやっつの火山島(大島・としま・新島・神津島・三宅島・御蔵島・八丈島・青ヶ島)にさんまんにんが暮らし、大勢の観光客が訪れています。
活発な火山活動が見られるのは、大島と三宅島(251ページ参照)ですが、2002年には、八丈島で噴火未遂がありました。
また、新島・神津島では、現在も地震・地殻変動が観測されています。
地上では、動きが感じられなくても、地下では、マグマが脈々と力をため込んでいます。

噴火の前兆現象に敏感に! 
そうは言っても、常に不安を抱えながら暮らす必要はありません。噴火は地震と違い、ほとんどの場合に前兆現象が見られます。火山活動が活発化すると、地震計では捉えられない現象が起こり、それに気付けば安全に避難できるからです。
例えば、火山のそばで暮らしている住民であれば、今までにない噴煙や音、異臭などに気付くこともあります。いつもと違う様子や気配を感じたら、すぐに役所に知らせることで観測強化につながり、噴火に備えることができます。
さらに防災マップで万一のときの避難場所を決めておくなど、火山リテラシーを身につけることが望まれます。
(談)渡辺秀文/東京大学 名誉教授 

173ページ 
防災おさらいクイズ 
クエスチョン1 大雨や暴風に関する気象情報で、注意報、警報、特別警報の違いは? 
答え、145ページ  

クエスチョン2 大雨や台風の被害を受けやすく、特に注意が必要な場所は? 
答え、147ページ  

クエスチョン3 集中豪雨のときに近づいてはいけない場所は? 
答え、151ページ  

クエスチョン4 土砂災害の前兆を3つ挙げよ。 
答え、152ページ  

クエスチョン5 グラウンドなどのひらけた場所にいるとき、落雷から身を守る方法は? 
答え、155ページ  

クエスチョン6 竜巻に注意するべき時期と、身を守るためにするべきことは? 
答え、156ページ  

クエスチョン7 大雪の予報が出たらどうすべき? 
答え、159ページ  

クエスチョン8 東京にある活火山のかずは? 
答え、160ページ  

クエスチョン9 テロや武力攻撃から国民の命を守る法律は? 
答え、164ページ  

クエスチョン10 感染症が広い地域で流行することをなんと言う? 
答え、170ページ  


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