地震のメカニズム
東京を襲う地震
東京を含む南関東地域は日本の中でも特に地震の多い地域として知られています。この地域の直下でプレートが互いに接しあい、地震が発生しやすい構造となっています。また、以下に東京に被害を及ぼすと考えられる地震をご紹介します。
関東地震
北米プレートの下にフィリピン海プレートがもぐりこむことによっておきる「海溝型の地震」です。この型の地震は、中央防災会議で今後100年か200年先に発生する可能性が高いとされています。
海溝型地震の発生するしくみ
海のプレートが海溝で沈み込むときに陸地のプレートの端が巻き込まれます。やがて、巻き込まれた陸のプレートの端は反発して跳ね上がり、巨大な地震を引き起こします。この跳ね上がりによって起こる地震を海溝型地震と呼んでいます。
直下地震
直下型地震の特徴は、海溝型地震に比べて規模が小さく、また被害範囲も20キロメートルから30キロメートル程度と予想されています。しかし震源が浅い場合は大きな被害をもたらすことになります。また、この型の地震は予知することは、ほとんどできません。
内陸地震(直下型)の発生するしくみ
海のプレートの動きは、海溝型地震の原因となるだけでなく、陸のプレートを圧迫し、内陸部の岩盤にも歪みを生じさせます。ひずみが大きくなると、内陸部の地中にあるプレート内部の弱い部分で破壊が起こります。こうして起こる地震は、海溝型の巨大地震に比べると規模は小さいのですが、局地的に激震を起こします。都市直下の浅い所を震源とする場合には大きな被害をもたらします。
内陸地震は大きく次の2つのタイプの地震に分けて考えることができます。
- 地表面近くの岩盤が破壊されることによる地震(地表に破壊面があらわれる、いわゆる活断層による地震)
- 陸のプレートと海のプレートが接し、せめぎあう境界付近で岩盤が破壊されて起こる地震
内陸地震の5つの震源の模式図(防災科学技術研究所による)
- 地表近くの活断層による地震
- フィリピン海プレート上面に沿うプレート境界型地震(低角逆断層型)
- フィリピン海プレートの中の内部破壊による地震
- 太平洋プレート上面に沿うプレート境界型地震(低角逆断層型)
- 太平洋プレートの中の内部破壊による地震
活断層
東京やその周辺にはいくつかの活断層が存在しています。
このうち、青梅市から国立市まで北西―南東方向に約21キロメートルにわたって続く立川断層について、東京都は平成9年度及び平成10年度に調査を実施しました。この調査で、立川断層の平均的な活動間隔は約5,000年であることが推定されてきました。立川断層は過去に繰り返し活動した活断層であることが確実になり、大地震が今後も繰り返し発生する可能性があることが一層明らかになりました。しかし、これまでの調査結果を総合すると立川断層が前回動いたのは千数百年前と推定されているので、断層がきわめて近い将来に動く可能性は小さいと考えられます。
東海地震
この地震は、駿河湾付近からその沖合の地域を震源地としておきると考えられているマグニチュード8級の巨大地震です。この地震が発生した場合、東京は震源から離れているので、震度は5程度ですが、新島村、神津村、三宅村は20分以内に大津波がくると予測されています。
津波の発生するしくみ
海底で起きた地震が原因で、海水が陸地に押し寄せる現象を津波といいます。
気象庁が発表する「津波の高さ」とは、海岸付近の海面がどのくらい高くなるかをいいます。
津波の高さは、海岸や湾の地形によって予想された数倍に達することがあります。
東南海・南海地震
この地震は、「南海トラフ」からのびるプレート境界面で発生するマグニチュード8級の巨大地震です。この地震による津波に対して、八丈島と小笠原村が防災対策推進地域に指定されています。
この他に注意すべき地震
この他に注意すべき地震としては、「神奈川県西部地震」があります。この地震は、発生頻度、周期性が高く、地震の規模はマグニチュード7級で、東京都は震度5以下と予想されています。
マグニチュードと震度
地震が起こると「マグニチュード」や「震度」の数値が報道されますが、この2つには次のような違いがあります。
マグニチュード
マグニチュードは、地震の大きさを表す尺度です。関東大地震(関東大震災の原因地震)はマグニチュード7.9、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災の原因地震)はマグニチュード7.3でした。
震度
震度は、地震による各地点の揺れの大きさを表す尺度です。
マグニチュードと震度の関係
マグニチュードと震度の関係は、電球の明るさと机の明るさとの関係に例えられます。同じ電球からの光でも、机がどの位置にあるかで、机の上の明るさは異なります。このように、マグニチュードの同じ地震であっても、震源が遠ければ震度は小さく、震源が近ければ震度は大きくなります。
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