大震災シミュレーション 避難生活

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在宅避難
在宅避難のすすめ
自宅で居住の継続ができる状況であれば、在宅避難をしましょう。
避難所では、環境の変化などによって体調を崩す人もいます。
事前に住宅の耐震化を行い、食料や水など必要な物を日頃から備え、可能なかぎり在宅避難できる準備を整えておくことが大切です。

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ガス・電気・水道の代替
ライフラインの代替品を備えておくと安心。
ガスは、カセットコンロ、電灯は、乾電池で作動するヘッドランプを利用します。
水は、日頃からペットボトルなどの水を多めに準備し、近所の「給水拠点」の確認をしておきましょう。

食料品や日用品の備え
東京都は、11月19日を「備蓄の日」としています。
日頃から食料や日用品を多めに買い揃え、普段生活する中で消費していく日常備蓄なら、無理なく備蓄を続けることができます。
詳細、85から87ページ

下水道の使用方法
下水があふれ出すことがないか、自宅の排水設備が、はそんしていないかなどを確認。
道路に下水があふれるなど下水道が使用できない場合には、備蓄している携帯用(非常用)トイレや行政が用意したトイレを利用します。

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避難所

避難所とは

避難所は、自宅に居住できなくなった被災者を一時的に受け入れ保護するための場所です。
東京都では、学校や公民館などの公共施設約3,000の避難所と、一般の避難所では、生活に支障があり特別な配慮を必要とする人を受け入れる約1,200の二次避難所(福祉避難所)を確保しています。

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避難所開設のプロセス(参考例)
下記は避難所が開設されるまでの工程の一例です。
通常は施設の管理担当者がかいじょうし、開設準備が始まります。
しかし、はっさいじは、管理者自身が被災して到着が遅れる可能性もあり、避難者自身が開設準備に当たることもあり得ます。

  1. 受け入れ準備
    鍵をあけ、受け入れの準備を始めます。消防用設備の確認や通信手段が確保できるかなど、施設内と周辺の安全確認をします。
  2. レイアウトづくり
    どの場所で何を設置すべきか、居住スペースのレイアウトなどを検討。生活できる環境を整えます。
  3. 受付設置
    いっとき集合場所から避難所へ誘導し、受け付けを開始。
    名簿を作成し、避難者、よう配慮者を含む地域の被災者の状況を把握します。

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避難所生活の心得
避難所のルールとマナー
避難所の生活では、ルールを守り、避難者もできる範囲で役割分担して助け合いながら生活しましょう。
ほかの人の居住スペースに立ち入ったり、のぞいたり、おおごえを上げたり、決められた場所以外で喫煙するのは、マナー違反。
また避難所では、よう配慮者への心配りも必要です。

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避難所到着後の流れ(参考例)
下記は、避難者が避難所に到着してからの行動の一例です。
ただし避難所によって、順序、ルールは、異なります。
避難所の運営や避難所生活では、ルールを守ることが重要。避難者同士の助け合い、協力が不可欠です。

  1. 連絡先の申告
    避難所に到着したら、住所・氏名・連絡先を申告し、隣近所の人や町内会ごとにまとまって過ごすようにします。帰宅困難者は、その旨を申告します。
  2. 家族などの安否確認
    家族や隣近所の人の安否を確認します。
    聴覚障害者のかたも情報がわかるよう、段ボールなどに案内を書き出すようにしましょう。
  3. 役割分担
    受け付けや炊き出しなど、割り当てられた係の仕事はしっかり行いましょう。
    お互いに協力し合って進めなければならないことも多くあります。

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避難所生活での留意点
プライバシーを守る
居住スペースは、個々の「家」と同じです。
特に女性、乳幼児や子どものいる家庭、よう配慮者などにも気を配り、プライバシーの確保を徹底します。
参照212ページ

トイレの使い方
施設のトイレは多くの人が利用するので、トイレットペーパーが詰まる可能性があります。
施設が指示した方法でトイレを使いましょう。
参照200ページ

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水の確保
水道が使えないときは、施設の管理担当者の指示に従って飲み水や生活用水を確保。
井戸水を飲用に使う場合は、必ずろ過をした上で煮沸します。
参照199ページ

防犯対策
避難所は、完璧な居住環境ではありません。
自分の身は自分で守ることを心がけ、怪しい人を見かけたら、警官や施設の担当者に連絡しましょう。

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環境変化による体調不良に注意する
急激な環境の変化で体調を崩さないように心がけます。
夏は適切な水分補給を行い、冬は効率的に暖がとれるようにします。
参照192から195ページ,197ページ

衛生を保つ
室内は土足禁止として、布団を敷くところと通路を分けるようにしましょう。
ゴミ捨て場所を決め、ゴミには封をして、ハエやゴキブリの発生を防止します。
参照204から205ページ

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喫煙のルール
周囲の人に迷惑がかからないよう、受動喫煙防止及び火災防止のために、避難所のルールに従いましょう。

ペットの世話
避難所のルールに従って、飼い主が責任を持って世話を行います。

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物資の配給
われ先にと焦らず、落ち着いて自分の順番を待ちましょう。状況によっては、ひとり分の食料や物資を複数人で分け合う場合も。列に並べない、よう配慮者への思いやりも必要です。

炊き出しは、衛生的に
調理・盛り付けの前、食材に触ったあと、トイレのあとには、せっけんで十分に手を洗います。
調理器具も、使用後や作業が変わるたびに洗浄と消毒を行います。
参照208から211ページ

食中毒の予防
食中毒は、一年を通じて発生します。防止に最も有効なのが手洗いです。
食器にも注意が必要です。水が使えないときは、使い捨て容器にラップを敷いて使うとよいでしょう。
参照223から224ページ

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感染症の予防
風邪、インフルエンザなどの感染症が流行しやすくなります。
こまめに手洗い、うがいを励行します。
水が出ない場合、可能であれば消毒用エタノールを用意できれば安心です。

睡眠と消灯
避難所での生活は不慣れなことも多く、睡眠不足になって体調を崩してしまうおそれがあります。
明るいと眠れない人、暗いと眠れない人もいるので、日替わりで消灯することもひとつの方法です。
参照206ページ

熱中症の予防
夏場の避難所では、熱中症に注意(特に子どもや高齢者)。
のどの渇きを感じなくてもこまめに水分・塩分の補給を行い、通気性の良い吸湿・そっかんの衣服を着用して暑さを避けます。
参照197ページ

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よう配慮者への思いやり
よう配慮者とは、妊婦・子ども・高齢者・外国人をはじめ、障害のあるかたなどです。
「ヘルプマーク」などの「災害じに配慮が必要なかたに関するマークとう」 (276ページ)、を身につけているかたなど、よう配慮者には、思いやりと支援を心がけましょう。

女性・妊婦
女性は、更衣の問題、妊婦は授乳などの不安を抱えています。
また妊娠中の女性や産後まもないお母さんは、健康面やプライバシーに配慮する必要があります。
参照202から203ページ

子ども
子どもは、遊ぶことでストレスを発散させます。
気持ちを表出できるような空間や時間などを確保し、気分転換が図れるようにしましょう。
参照220から221ページ

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高齢者
高齢者は、不便があっても自分から言い出せないことがあります。
明るい声で頻繁に話しかけ、孤立感や不安感をいだかないよう配慮しましょう。

外国人
生活文化の相違や言葉を理解できずに、不安を抱えてしまうかもしれません。
外国語を理解できる仲介者や通訳を介し、きちんと情報を伝えることが大切です。
参照288から291ページ

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